
My Sweet*Bitter
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彼らは真理を追い求めるためにカタリナを欲し、研究を重ねてきた。
西暦2XXX年、地球は人類存続の危機を迎えていた。
森林の伐採、気候変動および海洋の酸性化、繰り返される核実験、
有害な化学物質による生態系の汚染などが、自然の生息地を改変し、
破壊をもたらしたと言われている。
人類が衰退した後、機械都市フェルミオンでは大量の次世代型アンドロイド「ネオロイド」の開発が行われていた。その中でも、一時代を築いたネオロイド「カタリナ」は、死を迎えた後もフェルミオンを支える大きな存在となっていた。
「カタリナ」の解体後、あるネオロイドの少年の脳にかつてカタリナのものであった脳がそのまま使用され、その少年は「イレルミ」と名付けられた。カタリナの天才的な頭脳を受け継いだ彼だったが、クルシュマン博士の実験を手伝いながらも、何事もなく5年もの時を穏やかに学校で暮らしていた。しかしイレルミは、フェルミオンの政治的支配に対しあらゆる疑問を抱くようになり、親友のソーニャ、ロディオン達と共に機械仕掛けの世界に抗っていく。
その世界は善か、それとも悪か。


機械都市フェルミオンでは、科学者が全ての支配者である。
権力を持ちすぎた人間は、欲に溺れて堕落していく。
イレルミは、フェルミオン内の「ターミナル」と呼ばれる地区に住む。交通網が豊富であり、商業施設も多い、治安の整った便利な区域である。ターミナル内にはネオロイドの工場が幾つかあり、科学者がネオロイドのボディ、人工知能、パーツの開発に大きく関わっている。
フェルミオン全体の治安に関しては通称「歩哨(センチネル)」と呼ばれる武装警察部隊が執り行っている。ターミナル内でも、歩哨達による言論や行動の管理は常日頃から行われていた。もしフェルミオン内において、犯罪やテロ活動に関わる行動若しくは言論が発覚することが在れば、ネオロイド達は階級を落とされ、「スラム」と呼ばれる治安が劣悪した区域に奴隷として追放されるか、「解体」され、ネオロイドとしての命を落とすことになる。
ネオロイドの階級が落ちれば、定期的に行われるメンテナンスによりボディに使われているパーツのランクが落とされ、ネオロイドに普段備わっている機能を果たせなくなる。逆に階級を上げることによって、機能性のあるパーツを手に入れ、社会的貢献度をより上げ、裕福な暮らしを行うことが出来る。
その中でも、特にカタリナが解体された後に残されたパーツは、伝説として言い伝えられていたのだ。有能な科学者やネオロイドですらも脅かす可能性がある、素晴らしいパーツであると。
ねえ、カタリナ。君は一体……何者?
どうして僕という個体を選んでくれたの?






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